音圧爆上げくんの「リミッター誤差」についてご紹介します。
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「リミッター誤差」とは?
「リミッター誤差」は、音圧爆上げくんのリミッティング処理で生じた音の誤差です。
一般的に、リミッターで音圧を上げすぎると音が歪みますが、リミッター誤差はその歪みを定量的にあらわしたものです。なるべくヒトの感覚に近づくように、音響心理学に基づいて設計されています。単位はdBです。リミッター誤差が1dB以下であればほとんど違いを聴き取れないはずです。
図は単純化していますが、実際はもう少し複雑な方法で計算しています。
「リミッター誤差」が発生する原因
リミッター誤差が発生する原因は、リミッティング処理によって、波形のピークをCeiling以下に抑えたまま、音圧を目標音圧に近づけようとした結果、波形が歪んでしまうことにあります。
音の中にはリミッティングで歪みやすいものと歪みづらいものがあります。何が歪みやすいかはリミッターによっても異なりますが、音圧爆上げくんの場合は、打楽器が歪みづらく、低音、正弦波に近い音、持続音が歪みやすいです。
「リミッター誤差」を発生させないコツ
目標音圧を下げる
目標音圧を下げるともっともかんたんにリミッター誤差を減らせます。音圧を下げても良い場合は、この手段がベストです。
「Ceilingモード」を「ピーク」に設定する
音圧爆上げくんのカスタムマスタリングでは、「Ceilingモード」オプションで、True Peakと通常のピークのどちらを基準にしてリミッティングするかを選べます。
True Peakを基準にするとより保守的にピークを抑えるので、Ceilingが下がり、リミッター誤差が発生しやすくなります。
「Ceilingモード」を「ピーク」に設定することで、リミッター誤差を減らせます。その代わり、不可逆圧縮で歪む可能性が高くなります。
ベースのピークを小さくする
ベースは低音で正弦波に近い持続音なので、リミッターで歪みやすいです。
音圧爆上げくんに限定されたテクニックではありませんが、アンプシミュレータなどを利用してベースの倍音を増やすと、聴感上の音量を維持したまま、ピークを減らせます。そのかわり、音質は変化します。
「リミッター誤差」が大きいことを気にしない
「リミッター誤差」が発生するケースの中には、音楽的に許容可能なものと許容不可能なものがあります。
例えば、ベースの音が一時的に大きすぎてピークが飛び出てしまうので、ベースの音を全体的に下げた場合、「リミッター誤差」は発生しますが音楽的に許容可能だと思います。
一方で、同じ状況でベースのピークを無理やり抑えて歪ませてしまった場合は、音楽的に許容できないと思います。
「リミッター誤差が発生していなければ問題無い」は成立しますが(少なくとも成立することを意図して設計していますが)、「リミッター誤差が発生していれば問題がある」は成立しません。
なので、耳で聴いて問題なければ「リミッター誤差」が大きいことは気にしないというのも手です。
改良案「リミッター誤差スペクトログラム」
音圧爆上げくんで表示される「リミッター誤差」は音源全体の平均です。実際には時刻、帯域ごとに局所的な「リミッター誤差」は異なります。
「リミッター誤差」のスペクトログラムのようなものがあれば、どの時刻、どの帯域で「リミッター誤差」が生じているかを視認できるので、かんたんに原因を特定できます。
検討中です。
まとめ
音圧爆上げくんの「リミッター誤差」についてご紹介しました。